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安全報告 (2008年)
当社のスカイキャビン・リフトをご利用いただき有難う御座います。
当社は、経営理念の第一に安全運行を掲げ、安全が最大のサービスを合言葉に、法令の遵守とともに安全輸送に努めております。
本報告は、鉄道事業法に基づき、安全確保のための取組みの実態、その他安全に関する情報について安全報告として公表いたします。
平成20年 9月 10日
株式会社 札幌リゾート開発公社
定山渓高原 札幌国際スキー場
(1)輸送の安全を確保するための方針
- 社長及び役員は、安全第一の意識をもって事業活動を行える体制の整備に努めるとともに、索道施設及び職員を総合活用して輸送の安全を確保するための管理の方針その他事業活動に関する基本的な方針を次項に定め、安全の確保に関する業務の実施状況を踏まえ、必要に応じて見直します。
- 社長、役員及び社員(社員に準じるものを含む)の安全に係る行動規範(安全の基本理念、安全方針)は、次のとおりとします。
- 一致協力して輸送の安全の確保に努めます。
- 輸送の安全に関する法令及び関連する規程をよく理解するとともにこれを遵守し、厳正、忠実に職務を遂行します。
- 常に輸送の安全に関する状況を理解するよう努めます。
- 職務の実施に当たり、推測に頼らず確認の励行に努め、疑義のある時は最も安全と思われる取り扱いをします。
- 事故・災害等が発生したときは、人命救助を最優先に行動し、すみやかに安全適切な処置をとります。
- 情報は漏れなく迅速、正確に伝え、透明性を確保します。
- 常に問題意識を持ち、必要な変革に果敢に挑戦します。
(2)輸送の安全の確保に関する組織体制
- 社長は、輸送の安全の確保に関する最終的な責任を負います。
- 社長及び役員は、輸送の安全を確保するための索道事業の実施及び管理の体制を整備するとともに、索道事業の実施及び管理の方法を定めます。
- 社長及び役員は、索道事業の遂行に際し、設備、運行、要員、投資、予算その他の必要な計画の策定において、必要な責任者に対し、安全性及び実現可能性な観点から検証を行わせます。
- 社長及び役員は、輸送の安全を確保するため、索道事業の実施及び管理の状況を把握し、必要な改善を行います。
- 社長及び役員は、輸送の安全確保に関する改善施策の決定に際しては、安全統括管理者のその職務を行う上での意見を尊重します。
- 社長及び役員は、事故、事故のおそれのある事態、災害その他輸送の安全確保に支障を及ぼすおそれのある事態の規模や内容等に応じ、事故対策本部の設置や責任者、対応方法その他必要な事項を、社員等に周知し、徹底します。
- 当社の索道事業における安全確保に関する体制は、下図のとおりとし、各々の責任者の役割及び権限は、次に掲げるとおりです。
- 安全統括管理者…索道事業の輸送の安全の確保に関する業務を統括します。
- 運行管理者…安全統括管理者の業務を補佐します。
- 索道技術管理者…安全統括管理者の指揮の下、索道の運行の管理、索道施設の保守の管理その他の技術上の事項に関する業務を統括管理します。
- 索道技術管理員…索道技術管理者の指揮の下、索道技術管理者の行う業務を補佐します。
(3)輸送の安全の確保に関する取組み
- 緊急時の対応として、シーズン営業開始前にスカイキャビン・リフトの救助訓練・予備原動機の操作訓練を実施し万全の体制を整えています。
- 平成19年夏季にスカイキャビン・リフトの整備を行いました。(主な整備は下記のとおり)
- スカイキャビン8第1減速機オーバーホール
- スカイキャビン8主原動機オーバーホール
- スカイキャビン8山麓駅舎車庫線防水工事
- スカイキャビン・リフト索輪交換
- スカイキャビン・第1リフト押送タイヤ、Vベルト交換
- スカイキャビン・リフト各ギヤオイル・作動油交換
- 運輸局の開催する研修会に積極的に参加して安全意識の向上に努めています。
- 索道メーカーの実施する技術研修会に参加して、技術の向上に努めています。
- シーズン営業開始前に全従業員を対象にした社内研修を行っています。
- 毎日始業点検、試運転を実施し安全を確認してから営業運転を行っています。
また、関係法令及び「整備細則」に基づいて定期検査を行っています。
- 乗降場では、声掛けを行い、お客様の安全をサポートします。
- 朝礼・終礼等で、天候・風の情報・お客様の情報を周知徹底し安全運行に努めます。
- 運輸局・索道協会からの事故等の情報は全従業員に通達し安全意識の向上に努めています。
(4)索道事故及びインシデントについて
1.索道事故の発生状況
1.事故等種類 |
人身傷害事故 |
2.発生日時 |
平成20年3月10日(月) 16時45分頃 |
3.場所 |
メルヘン第1リフト山麓停留場 |
4.死傷者数 |
負傷1名 |
5.事故概要 |
当該リフトで遅番交代後機械装置の一部(フード開閉レール)に異常を感じ現場に確認に向かった際、確認部分に注意が集中し他の部分に対する注意が散漫となり、回転中のVベルト上に右手を置いてしまいベルトに巻き込まれ負傷した。 |
6.原因 |
当事者の不注意による。 |
7.再発防止 |
索道担当者全員に対し、事故内容を説明し注意を促すとともに、異常を感じた場合1人で判断、対処をせず必ず2人以上で状態を確認し必要に応じて機器の運転を停止した後対処するよう指示した。対処マニュアル(異常を感じた場合の対処法)を作成し、運転室及び監視室等に掲示した。 |
お詫び |
この事故によりお客様に多大なるご迷惑をお掛けいたしました事を深くお詫び申し上げます。今後このような事故を再発させないよう全社を上げて安全運行に努める所存です。
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2.インシデント(事故の兆候)の発生状況
1.事故等種類 |
インシデント(握放索不完全) |
2.発生日時 |
平成19年11月15日(木) 13時40分頃 |
3.場所 |
スカイキャビン8線路12号〜13号柱間 |
4.死傷者数 |
なし |
5.事故概要 |
スカイキャビン8山頂駅で搬器の出庫訓練中、出庫した4台目の搬器が握索異常検出装置の動作により停止した。係員は握索部の状態を目視確認したが運転に支障はないと判断し、運転を再開した。その後当該搬器は下り線路の12号〜13号柱間で滑動して先行搬器に衝突し、その衝撃で落下したと思われる。
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6.原因 |
握索状態良否の判断を誤った人的ミス、握索機の凍結による握索不良 |
7.再発防止 |
握索異常検出装置及び他の保安装置が作動した時の対応について改めて指導を行った。安全運行に関して再度注意・指導を行った。全搬器の握索部に給油を行った。握索機が凍結している時は打撃により凍結を解除する。搬器出庫は全搬器2循環以上の動作目視確認を行う。握索機の解体検査周期を短縮する。 |
参考:事故等の種類
- 索条切断・・・・・索条の素線の全部叉は1部が切損した場合
- 搬器落下・・・・・搬器が落下した場合
- 搬器衝突・・・・・搬器が他の搬器叉は工作物に衝突若しくは接触した場合
- 搬器火災・・・・・搬器に火災が生じた場合
- 人身障害・・・・・索道の運転により人に死傷を生じた場合
- インシデント・・・索道事故等が発生する恐れがある場合
来シーズンは無事故を目指し、安全管理と機械整備に努め、安全で楽しいスキー場を提供すべく全社一丸となって努力する所存です。
※お客様へのお願い・・・スキー場でのルールとマナーを守りましょう
※この報告書についてのお問い合わせは・・・(株)札幌リゾート開発公社
電話011-598-4511